思想的、疫学的、医療について

医療×哲学 常識に依拠せず多面的な視点からとらえ直す薬剤師の医療

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病名

続・病名の存在論的差異

これまで、病名について「モノ的」「コト的」そして、さらにコンスタティブな病名、パフォーマティブな病名という新しい概念を導入し、病名における存在論的差異を考察してきた。とりわけ健康と疾患の境目があいまいな慢性的疾患において、病名付与が人に与…

病名の存在論的差異

[コンスタティブな病名とパフォーマティヴな病名] 僕はこれまで、病名について、モノとコトという言葉を用いて、医療者にとっての病名と、患者にとっての病名を峻別してきた。(※1) 病名を付与されることで救われることも多々あることは承知している。した…

糖尿病検診のゆくえ

「個人の病気の推測などができる検査の面白さを薬剤師業務にも」 こう語る薬剤師が現れた。 検体測定室での健康チェック、かかりつけ薬局のカギに‐東女薬・小縣副会長 : 薬事日報ウェブサイト 賛否あると思うが、僕は個人的に以下のように考える。 個人の病…

脱構築的決定に垣間見る病名の暴力性

「現前の形而上学と健康幻想論」では、ジャック・デリダの脱構築的思考プロセスを用いて健康と不健康の決定不可能性を暴いたつもりだが、やや難解だっただろうか。 現前の形而上学と健康幻想論 - 思想的、疫学的、医療についてsyuichiao.hatenadiary.com 今…

病名とは何か、ソシュール言語学から垣間見る疾患成立の恣意性

[ソシュールの思想] 言語学と言っても、さまざまであるが、ここではフェルディナン・ド・ソシュール(1857~1913)の言語学からの示唆をもとに、「病名とは何か」ということについてあらためて考えてみる。その前にソシュールの言語学とは何か、ここでは難…