思想的、疫学的、医療について

医療×哲学 常識に依拠せず多面的な視点からとらえ直す薬剤師の医療

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[地域医療ジャーナル2017年07月号] ポリファーマシー × EBM

地域医療ジャーナル2017年7月号が発刊されています。 cmj.publishers.fm [ポリファーマシーに関して] 今回は、久しぶりにポリファーマシーに関する論考を書きました。 cmj.publishers.fm “ポリファーマシーは悪なのか”という問いに対して、僕は一貫してそ…

学会ではワークショップやシンポジウムの開催は不要なのか?

日本の学会って、一般演題よりも、シンポジウム・ワークショップのほうが演題数が多く、発表時間が長い。何の結論も出ないようなシンポジウムやワークショップをいくらやってもしょうがない。 このような意見をツイッターで目にした。学会とはおそらく学術大…

学びを駆動するために~勉強の哲学-中動態の世界-観光客と誤配~

ツイッター等のSNSで話題になっていた人文・思想系の書籍、3冊を読んでみた。このブログでも少し触れたことがあるが、その三冊とは、東浩紀さんの「ゲンロン0」、國分功一郎さんの「中動態の世界」、そして千葉雅也さんの「勉強の哲学」である。 ゲンロン0 …

[書籍]薬のデギュスタシオン2 製薬メーカーに頼らずに薬を勉強するために

比較を論じる際に大切なのは、差異を見出そうとしている観点です。この場合の観点とは、差異化を試みる際に着目する人の関心と言えるかもしれません。つまるところ、二者の比較とは、両者の間に、なんらかの関心に基づく視点(観点)を持ち込み、その観点で…

[地域医療ジャーナル 2017年06月号 vol.3(6)]臨床と人文知をつなぐ試み。

地域医療ジャーナル2017年06月号 vol.3(6)が発刊されています。 cmj.publishers.fm 僕は薬剤効果の不平等性についての論考他、3つの記事を投稿させていただきました。 まずは、これまで当ブログや、地域医療ジャーナルの「開かれた医療とその敵」でも模索を…

醜いアヒルの子と中動態の世界

國分功一郎さんの「中動態の世界 意志と責任の考古学」を読んだ。 中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく) 僕は中動態の世界と医療との接続を考えている。もう少し考察を重ねたいので現在再読中だが、これまで整理できたことを少しまとめ…

【地域医療ジャーナル2017年05月号】ウィキペディア時代の医療情報

地域医療ジャーナル2017年05月号 vol.3(5) が発刊されています cmj.publishers.fm 僕は情報をテーマした記事を書きました。 cmj.publishers.fm インターネットが普及し、僕たちは情報化社会の真っただ中を生きています。沢山の情報に囲まれることは、それだ…

『薬剤効果の不平等性』に関して

”心臓病の発症が約30%減る”というのと、”119人に対して約5年間治療を行うと、そのうち一人だけ心臓病から救うことができる(NNT=119人)”というのはプラバスタチンという薬剤に関する、同じ薬剤効果の記述である。(Lancet. 2006 Sep 30;368(9542):1155-63.…

ゲンロン0を読んでいる。~観光客、動物、そしてポストモダン~

「郵便的…」以来の集大成と言われる東浩紀さんの「ゲンロン0」を読んでいる。 ゲンロン0 観光客の哲学 まだ全体の3割くらいしか読み進めていないけれど、そのテクストには多くの刺激が詰まっている。それはまるで、ロールプレイングゲームのラストシーンで…

『調べること』と『知っていること』

野崎まど さんの『Know』という小説を読んだ。とても面白かったので一気に読んでしまった。 know (ハヤカワ文庫JA) 本作品は近未来の京都を舞台にしたSF小説である。脳の一部電子化という設定で、世界は情報化社会から超情報化社会へ変貌を遂げる。そして…

精神科薬物療法とアドヒアランス~やはりしっかり飲んだほうが良い?~

アドヒアランスと臨床アウトカムについて、以前の記事では主に慢性疾患領域に関してまとめました。 syuichiao.hatenadiary.com 今回は精神科領域における薬物治療とアドヒアランスについて整理したいと思います。精神科薬物療法の臨床アウトカム評価というの…

noteコンテンツ一覧(2017年1月~2017年4月)

noteを本格活用し始めてから約3か月たちました。利用される方に有用なコンテンツをお届けできているか不安な部分もありますが、記事も増えてきたので一度ここで整理しておきます。是非ご活用いただけたら嬉しいです。 《sponsored link》 note.mu note.mu no…

『不在の哲学』~薬剤効果の実在と不在について~

中島義道さんの「不在の哲学」(ちくま学芸文庫)を読んだ。 不在の哲学 (ちくま学芸文庫) なんと、文庫本のための書き下ろしだそうだ。本書は客観的・統一的な脱自己中心的世界としての「実在」ではなく、対立概念である「不在」こそが「真にあること」ではな…

【地域医療ジャーナル 2017年04月号】~新しい学びの形を考える~

地域医療ジャーナル 2017年04月号 vol.3(4)が発刊されています。 cmj.publishers.fm 僕は「小説と権威と、学びの“かたち” ~権威介在型モデルから消費者生成型モデルへ~」というなんだか長ったらしいタイトルの記事を書きました。医療というテーマからは少…

薬はしっかり飲めと言われるけど、本当のところどうなんでしょう?

[コンプライアンス、コンコーダンス、アドヒアランス?] ”薬を医師の指示通りしっかり服用することは大切だ”という価値観があります。薬を医療従事者の指示通り飲まないことは、何かネガティブな印象はあれど、そこにポジティブな価値は付着していない、と…

【Rp.+(レシピプラス)よく出る漢方薬ABC】~連載:臨床疑問のゆくえ~

早いものでもう4月。レシピ+の2017年春号が届きました。今回のテーマは「よく出る漢方薬ABC」と言うことで、総論から各論まで、漢方素人の僕には、とてもありがたいテーマです。特に各論は、実際の臨床現場で良く使われる漢方薬が解説されていて、とても実…

【薬局2017年4月号】~認知症対応力のエッセンス~

南山堂さんの”薬局4月号”「認知症対応力のエッセンス」が発刊されています。具体的な対応力のエッセンスと言うことで、まだ読み始めたばかりなのですが、興味深い記事が満載です。 薬局 2017年 04 月号 [雑誌] 2025年には認知症者が700万人を超えると言われ…

「薬局薬学」という名のテクスト:『薬局で使える実践薬学』

文章を書くというのは、あれやこれやと、様々な情報を網羅して、その完成度を高めていく、そんなふうに考えている人もおられるでしょう。つまり、情報を一つ一つ積み上げながら、文章の全体が構築されていくという仕方で。 しかしながら実際に文章を書いてい…

一番強い痛み止めはどれですか?やっぱりロキソニン®ですか?

ドラックストアに勤務していると「一番強い痛み止めはどれですか?」と効かれることも多いでしょう。市販されている解熱鎮痛剤は同じブランド名でも複数の製品が存在して、その中からどれが一番効く薬なんだろうってお客さんも必死なわけです。(そうでもな…

【書籍】『患者さん中心でいこう、ポリファーマシー対策 -意志決定の共有と価値観に基づく医療の実践-』

近年、ポリファーマシー関連の書籍が複数出版され、やや飽和状態なのかな、という印象もあったりします。そんななか、新たにポリファーマシーに関する書籍が出版されます。 日常臨床を一歩進める!患者さん中心でいこう、ポリファーマシー対策意志決定の共有…

小説を書いてみて気が付いた”学びのカタチ”

小説と言うと、純文学や大衆文学のようなものを、文庫本なり単行本なり紙の本でじっくり読むもの、というイメージを持っている方も多いと思います。しかしながら、現在の小説という概念は、10年前のそれと、かなり異なっているよう思います。それはむしろゲ…

[哲学]×[医療]で見えてくるもの~開かれた医療とその敵~

地域医療ジャーナルでの僕の連載「開かれた医療とその敵」が完結しました。この論考は、医療情報に対する僕の思想的立場をまとめたものです。連載タイトルにあるように、その多くはカール・ライムント・ポパーの批判的合理主義の考え方に基づいています。 cm…

時間は実在しない?マクタガートの「時間の非実在性」を読んでみた。

ジョン・マクタガート(John McTaggart)は「時間の非実在性」という論文(Mind.1908.17: 457-73)で時間が実在しないことを論証している。時間が実在しない、というのはなかなか驚くべき事態であり、個人的にはやや魅力的なテーマでもあるが、その論文の全訳が…

日本語によるグーグル検索で医学論文情報を効率的に収集するコツ

日本語でのグーグル検索でも、なんとか良質な医療情報に、効率的にたどりつくコツのまとめてみました。

[書評的な何か]人間と機械のあいだ 心はどこにあるのか~アンドロイドと心の存在論的考察~

[人間の機械化] 人間の機械化というのは、何もSFの話だけではない。語弊を恐れずに言えば、現代医療において、生体組織の機械化というものは治療の一部として既に受け入れられているのではないか。「機械化」とう言葉に違和感があるのかもしれない。それは…

みんなで考えたポリファーマシー~薬剤師としてポリファーマシーに関わるということ~

2016年12月18日に薬学ゼミナール生涯学習センターで開催された『みんなで考えるポリファーマシー』をファーマトリビューン(PharmaTribune)さんに取り上げていただきました。 ptweb.jp 取材レポです!今回は青島周一先生の講演。会員登録なしで全文閲覧でき…

医学論文、活用の仕方がわかりません!!~論文情報活用のヒント~

前回は『医学論文を読むにあたり”壁”となっているものと、それを乗り越えるために…』と題して、Twitterの投票機能を使った調査に基づき、医学論文を読むにあたり、障壁となっている問題点を取り上げ、それをいかに乗り越えていくかについて、参考となる書籍…

医学論文を読むにあたり”壁”となっているものと、それを乗り越えるために…

薬剤師によるEBM実践は、まだまだ普及しているとは言えないように思います。やはり医学論文を読むにあたり様々な壁や問題があるのかもしれません。そうした壁や問題はどこにあるのか、Twitterの投票機能をつかって調査してみました。 ・質問①医学論文を読む…

WELQ問題から学ぶ医療情報の「正しさ」とは何か~トンデモ医療と妥当な医療の境界~

WELQと日経メディカルはどこが違うのか:日経メディカル https://t.co/42ZgIEmvRQ #日経メディカル — 青島周一 (@syuichiao89) 2017年1月20日 医療に関するブログメディアを複数運営する僕の経験からすると、ウェルクと日経メディカルの差は記事内容の『正し…

ベンゾジアゼピン系薬剤をどう考える?~「これで解決!ポリファーマシー」~

日経DIオンラインで連載している僕のコラム、『これで解決!ポリファーマシー』が更新されました。 ケース15 有害リスク軽減のために提供できる選択肢は?ベンゾジアゼピン系薬の依存を心配する68歳男性(要無料会員登録) 今回はベンゾジアゼピン系薬剤のお…