思想的、疫学的、医療について

医療×哲学 常識に依拠せず多面的な視点からとらえ直す薬剤師の医療

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【薬局2017年4月号】~認知症対応力のエッセンス~

南山堂さんの”薬局4月号”認知症対応力のエッセンス」が発刊されています。具体的な対応力のエッセンスと言うことで、まだ読み始めたばかりなのですが、興味深い記事が満載です。

薬局 2017年 04 月号 [雑誌]

2025年には認知症者が700万人を超えると言われているようです。いわゆる、2025年問題と言うやつですけど、過去のデータにも目を向けてみると、認知症患者が増加している背後で、いったい何が起きているのか、その一端を垣間見ることができる気がします。

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 (表)アルツハイマー病患者数(人口1000人当たり)

出典:厚生労働省患者調査

www.mhlw.go.jp

参考:診察室の象-第10回 急増する認知症

上記表は、厚生労働省の患者調査から作成したものです。アルツハイマー病の患者数は1996年~1999年では人口1000人当たり20人~30人に満たない数値です。

しかし、1999年以降、アルツハイマー病が激増しています。1999年を基準とすると2002年で既に3倍超、1999年からの15年で実に18倍以上も患者数が増えているんです。これは高齢化の影響というよりも、1999年に発売されたアリセプト®の影響が大きいのではないかと思います。

アリセプト®を処方するがためにアルツハイマー病の病名を付与するという行為が促進される。つまり、新薬の発売と共に有病割合が増加するということは、薬が病気を作るという側面を端的に表しているような、そんな気はしないでしょうか?

 とは言え、確かに高齢化が進む我が国では、認知症とその対応力というテーマは軽視できない問題だと思います。臨床現場において、認知症のみを抱えた患者さんは少なく、現実には糖尿病、高血圧、がんや心不全など様々な合併症を有していたり、BPSDに悩まされる患者家族や、介護者の対応にまで配慮しなくてはならないなど、認知症患者さんをめぐる対応には様々なスキルと知識が必要です。本特集ではそうした様々な問題への具体的かつ実践的な対応を体系的にまとめてくれているようで、とても参考になりそうです。これまであまり特集が組まれなかった認知症対応力、これからじっくり学びたいと思います。

認知症に関連して、僕のnoteにも、ちょっとした小ネタをまとめてありますので、是非ご活用ください。

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