【書籍紹介】逸脱症例から学ぶ がん薬物療法:月刊薬事2019年7月増刊号
近年、がんの薬物療法は臓器別に高度に専門化され、エビデンスの更新も目まぐるしい分野です。一口にがんといっても、がんが発生している臓器によって、全身状態に影響しうる病態生理は大きく異なり、薬物療法も多様化しています。複雑な病態生理を十分に踏まえたうえで、最新のエビデンスを追い続けることはなかなか難しく、この分野を体系的に学ぶことが困難な理由の一つと言えるかもしれません。
そんな中、じほうさんから、がん薬物療法に関する最新のエビデンスを踏まえた標準治療の実例を、逸脱症例から紹介するというユニークな書籍が発売されています。
《逸脱症例から学ぶ がん薬物療法》
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本書は月刊薬事7月号の増刊号として刊行されたもので、編集は勝俣範之先生です。標準治療から逸脱した患者症例をベースに、どこが標準治療から逸脱しているのか?に注目しながら、最新のエビデンスに基づく標準治療の考え方、さらには提示した症例へのアプローチ法まで整理された実践的な内容となっています。
また、臓器別のがん薬物療法に加え、腹水や胸水など合併症への対応、さらには補完代替医療、グリーフケアなど、支持療法・緩和医療に関するテーマまで網羅しており、がん薬物療法を体系的かつ実践的に学ぶ1冊としておススメです。