【書籍紹介】超入門！スラスラわかるリアルワールドデータで臨床研究
レセプト（診療報酬明細書）情報や電子カルテの情報など、臨床現場から得られる匿名化された患者データをリアルワールドデータ（Real World Data：RWD）と呼びます。近年、ビックデータを活用したデータサイエンスに関心が高まる中で、RWDを利用した臨床研究にも注目が集まっているように感じます。
海外では患者レジストリー（症例登録データベース）や保険データベース（米国のMedicareなどは有名ですよね）を活用したRWD研究が積極的に行われており、その報告件数は増加傾向にあります。「Real World Data」でPubMedを検索すると、報告文献数は指数関数的に増加していることが分かります。
【Real World DataでPubMed検索される年間論文報告数】
日本でも、レセプト情報・特定健診等情報データベース（NDB）から汎用性の高い基礎的な集計表がNDBオープンデータとして一般公開されるようになりました。
このようなRWDを活用した臨床研究は、今後ますます身近なものになっていくに違いありません。とはいえ、RWD研究を行うには、基本的な疫学の知識、統計解析の知識に加え、データベースの特性やその利用方法を知らなければなりません。
これまでRWD研究について解説されたテキストは限定的だったと思います。そんな中、金芳堂さんからRWDを用いた臨床研究の具体的かつ、実践的な方法論をコンパクトにまとめた書籍が刊行されています。
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本書では、RWD研究の概説から、患者レジストリー、保険データベース、電子カルテデータの活用事例、統計解析や論文執筆時の注意点まで整理されています。これまで体系的に学ぶ機会が少なかったRWD研究について、1冊で学ぶことができる貴重な書籍となっています。
