日商簿記検定試験を受験してきました。
2020年11月15日に実施された第156回日商簿記試験を受験してきました。2級合格を目標に勉強を開始したのが今年の7月中旬のようです。
とりあえず簿記の勉強を始めてみた。
— 青島周一 (@syuichiao89) 2020年7月18日
4か月間、仕事の合間を見計らっては勉強をしてきましたが、本命の2級の合格は叶わずでした。ただ、3級には合格することができましたので、ここで少し受験の動機や勉強の記録などを残しておきたいと思います。
【簿記の勉強を始めようとしたきっかけ】
簿記とは事業稼働におけるお金やもの出入りや記録の方法のことです。生活に最も身近な簿記が家計簿かもしれません。将来的に個人事業を立ち上げるに、簿記の知識は必須です。簿記の勉強を始めたきっかけの一つは、株式投資を本格的に始めたことにあります。どのような会社に投資をすれば良いのか、その際に参考となるのが、決算短信や有価証券報告書です。そしてこれらの書類を読み解く際に役立つのが簿記会計の知識といえます。有価証券報告書を読み解くためには少なくとも簿記2級の知識が必要だと思います。
また将来的に個人事業の立ち上げを考えていることも、簿記の勉強をしようと思ったきっかけの一つです。まあ、事業の立ち上げは今すぐにと言うわけではありませんが、知識をつけておくことはその後の展開の選択肢を増やしてくれるのではないかという漠然とした思いがありました。
【簿記が面白い!】
投資判断や事業活動の役に立てば良いくらいな目的で始めた簿記の勉強ですが、はじめてみると、これもまたとても面白く、初めて学ぶ世界は、僕がこれまで見てきた世界観を大きく変えました。例えば「資産」と「費用」がグラデーションにあるというのは、簿記の勉強を始めて、まず最初に衝撃的だった内容です。
例えば、建物やパソコンのような備品は資産と考えることに違和は少ないと思います。なので、帳簿上も資産として計上されます。他方で、ボールペンや消しゴムは、いわゆる消耗品ですよね。これら消耗品は資産なのでしょうか?
実は簿記会計では消耗品を資産として処理する方法と費用(消耗品費)として処理する方法2つあるのです。つまり、資産と費用って、その性質が極めて似ているのです。これは資産と費用が対極にあるというイメージを抱いていた僕にとって衝撃的なものでした。資産は多いほど良いと、そう思っていたからです。むろん、現金預金のような流動資産は少ないより多い方が良いでしょう。しかし、パソコンや建物などの固定資産はどうでしょう。資産は費用と対極にあるのではなく、どちらかと言えば、資産は収益を生み出すと同時に費用も生み出すと考えたほうが良いように思います。
パソコンで原稿をかけば原稿料が収益として入りますが、資産としてのパソコンは時間が経つごとに費用化されます。これはパソコンという備品の使用期間に応じて、減価償却費という費用が発生するためです。減価償却というと、経年劣化で資産価値が落ちるという考え方もできますが、会計上は徐々に費用化されていることに他なりません。
このほか、2級工業簿記では損益分岐点分析(Cost-Volume-Profit Analysis)も面白いです。ある商品をいくつ販売すれば、どれほどの営業利益を上げることができるか、損益分岐点を計算で求めることができるのです。興味がある方は是非、簿記の勉強にチャレンジしてみてください!これまでにない発見がたくさんあると思います。
【どんな参考書が良い?】
日商簿記検定試験の対策テキストは有名どころを含め多数あります。簿記3級の場合、いくつかのブログサイトで共通しておススメしている参考書や問題集を選べばはずれはないでしょう。僕は以下の参考書と問題集を使っていました。
2級も同じ「みんなが欲しかったシリーズ」の参考書を使っていました。ただ、問題集は本屋で立ち読みした「パブロフ流でみんな合格」シリーズの解説がとても分かりやすく、こちらを使っていました。なので、3級の参考書、問題集もパブロフ君シリーズでもOKかと思います。
2級を受験してみて思ったのですが、基本的に参考書に収載されているレベルの問題は基本問題であって、本試験レベルには全く対応していません。分かりやすさを重視した参考書は多いですが、その内容を頭に詰め込んだだけでは合格は難しいなぁというのが正直な感想です。現在、2月の試験に向けて2級の勉強を最初からやり直していますが、やはり王道は以下のテキストかもしれません。
これに加えて過去問を解くのは必須かなという印象です。僕自身も来年2月の受験に向けて頑張りたいと思います!