思想的、疫学的、医療について

医療×哲学 常識に依拠せず多面的な視点からとらえ直す薬剤師の医療

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薬の現象学~あとがき~

全8回にわたり、薬剤効果の考察から、薬剤効果に関する因果関係について、薬剤効果の諸原理とその世界像に対する考察を加え、後半では疾患成立の恣意性、病名付与がもたらす「力」の構造、患者固有の時間への影響を考察してきた。それを踏まえて、危機に瀕している現代医療における薬剤効果の世界像を一度解体し、再構築する必要性を述べた。そしてその再構築に必要な基盤が科学的に妥当な因果関係を示唆したエビデンス情報であり、その曖昧性を曖昧なまま捉えることで新たな薬剤効果の世界像における価値観を創造してゆく可能性を示した。

本論考は当ブログ、思想的、疫学的医療についての過去記事がベースとなっている。またその思索において、多大なる影響を受けたのだが名郷直樹先生の構造主義医療論である。また現象学ソシュール言語学から受けた影響も大きい。

 

以下に、本論考の参考文献を示す。

 

構造主義医療の挑戦時間と同一性発表用

構造主義医療の挑戦健康増進の行く末

「健康第一」は間違っている (筑摩選書)

現象学入門 (NHKブックス)

はじめての現象学

言語と行為

言葉とは何か (ちくま学芸文庫)

ソシュールを読む (講談社学術文庫)

ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学 (中公文庫)

ハイデガー「存在と時間」入門 (講談社学術文庫)

存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて

構造主義科学論の冒険 (講談社学術文庫)

構造構成主義とは何か―次世代人間科学の原理