思想的、疫学的、医療について

医療×哲学 常識に依拠せず多面的な視点からとらえ直す薬剤師の医療

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こうすればうまくいく! 薬剤師による処方提案

薬剤師による処方提案のノウハウを紹介した書籍が出版されます。 こうすればうまくいく! 薬剤師による処方提案 ※中外医学社公式ホームページ「こうすればうまくいく! 薬剤師による処方提案」 本書は、臨床の最前線でご活躍されている先生方のご協力を得て生…

「読むこと」そして「書くこと」について―情報化社会における学びのスキル―

ネットワークを基盤とした情報化社会がもたらしたもの、端的に言えば、それは「知識の外部化」です。情報化社会は今後もこの流れをますます加速させていくことでしょう。 情報を外部化しつつも外部化された情報を効率よく取り出す。つまり、それは「調べるこ…

【本の紹介】薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100

ある薬剤について、そのベネフィットやリスクを考える際、僕らは「比較」と「関心」に捕らわれています。何と比べて、何がどう優れているか。これは同種同効薬のリスク/ベネフィットを考える際に顕著と言えるでしょう。 医師への処方提案や患者さんへの服薬…

【本の紹介】キャラ勉!抗菌薬データ

とあるワークショップの企画案で、”糖尿病治療薬の特徴をレーダーチャートみたいにできたらよいよね” という話が出たことがありました。各薬剤における「低血糖リスク」「体重への影響」「心血管アウトカムへの影響」「心不全リスク」「死亡リスク」などのア…

【地域医療ジャーナル】冷酷なエビデンスからあたたかな医療へ~曖昧性、不平等性、個別性~

僕がEBMに出会い、論文を読み続ける中で膨らんだ一つの疑問。それは『薬が効くとはどういうことなのだろう』というあまりにも基本的な問いでした。 常識的には、薬にはなにがしかの効果があることが前提になっていて、EBMに出会わなければ、こういった基本的…

日経DIオンラインにて新連載スタートします!

【新連載スタートです】 個人的なお知らせが続いて恐縮ですが、日経DIオンラインにて、新連載がスタートします。 コラム: 青島周一の「医療・健康情報を読み解く」 この連載では、臨床医学に関する学術論文、つまり科学的根拠を取り上げながら、一般的な常…

臨床疑問のゆくえ:Rp.+ レシピプラス2017年秋号が発売されました!

南山堂さんの Rp.+ レシピプラス 2017年秋号が届きました。あっという間に夏が終わりますね~。 今回のテーマは要点ガッチリ!!「認知症高齢者」対応力とのことで、疾患の病態生理から治療薬の薬理・化学構造をはじめ、認知症患者さんのケア全般にわたる実…

薬剤効果の価値判断をめぐる時間割引

新曜社のワードマップは個人的に好きなのだが「心の哲学」が出版されていたので読んでみた。 心の哲学: 新時代の心の科学をめぐる哲学の問い (ワードマップ) 本書は入門書とは言えないけれども、重要なキーワードがコンパクトにまとまっていて、繰り返し参照…

クスリのリスクを分類してみた!

ここ最近は、もっぱら人文関係の本ばかりを読んでいて、自分の専門である医学・薬学系の本を読んでいなかった。それではいかん、ということで久しぶりに医学書を手に取ってみた。 日常診療に潜むクスリのリスク: 臨床医のための薬物有害反応の知識 「日常診…

見逃されがちな薬物有害事象(薬剤性うつ)

※以下は薬剤性うつに関する総説論文[1]をベースにうつ症状を誘発しうる薬剤について忘備録的にまとめたものです。内容の妥当性、正確性は原著論文等でご確認ください。 一部の薬剤はうつ病を引き起こす可能性が示唆されている。代表的なものとしてバルビツ…

服薬アドヒアランスと患者アウトカム

「服薬アドヒアランスと患者アウトカム」というタイトルで、拙論が南山堂さんの「薬局2017年9月 Vol.68 No.10」に掲載されました。 薬局 2017年 09 月号 特集 再考! 服薬アドヒアランス [雑誌] 服薬アドヒアランスを維持、向上させることはとても大切なこと…

健康食品の有効性・安全性-noteのマガジンによる新しい電子教科書の可能性-

健康食品の有効性・安全性に関するエビデンスをレビューした記事を、noteというソーシャルメディアのマガジン機能を使ってまとめした。 note.mu このマガジン「健康食品エビデンスレビュー」ではビタミン・ミネラル以外のサプリメントや健康食品の臨床効果に…

[総説]レニン - アンギオテンシン系:うつ病治療の新たなターゲット

★本記事は以下論文の一部の邦訳である。正確な内容については原著論文確認されたい。 Vian J.et.al. The renin-angiotensin system: a possible new target for depression. BMC Med. 2017 Aug 1;15(1):144. PMID: 28760142https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pub…

メタ分析の統合手法と結果解釈におけるフレームワーク

メタ分析(meta-analysis)とは、これまでに報告されている同じ臨床課題に関する研究結果を、オッズ比などの一つの指標で統合する研究手法である。メタ分析のメリットとして、一つの研究では検出力不足で統計的有意差が出ないなど、曖昧であった結果が、複数…

悪は悪人が作り出すのではなく、思考停止の凡人が作る

悪の凡庸さ……。 数百万人のユダヤ人を収容所に送ったアドルフ アイヒマンは職務に忠実な凡人役人だった。 悪は悪人が作り出すのではなく、思考停止の凡人が作る。 ハンナ・アーレントの言葉だ。BuzzFeedに興味深い記事が掲載されていた。 www.buzzfeed.com …

AHEADMAP公式ジャーナル『臨床批評 VoL.1 No.1』発刊

NPO法人AHEADMAPの会報誌である『臨床批評-Clinical critical essay』が無事に創刊いたしました。今回、編集責任者として関わらせていただいております。 会報誌作成にあたり、沢山の方から貴重な論考をご寄稿いただきました。この場をお借りして、あらため…

幻想としての〈私〉: アスペルガー的人間の時代

本稿は、先日書いた自分の記事に対する批判とも言える。 syuichiao.hatenadiary.com 大饗広之さんの「幻想としての〈私〉: アスペルガー的人間の時代」を読んだ。 幻想としての〈私〉: アスペルガー的人間の時代 本書の学術的内容については賛否あるのかもし…

我思う、ゆえに我あり。 なぜ自分は自分でしかなく、他人ではないのだろう

科学的なコトバで記述された世界像が、事象の真理を表しているわけではない。確かに予測や制御を可能にするという観点からすれば、妥当な世界像かもしれない。しかし、そこには人の心的な、あるいは認識的な側面が抜け落ちている。これは例えば戦争をゲーム…

PPI(Proton Pump Inhibitor)のリスク・ベネフィット

(※スライド資料をざっと文字に書き起こしたので誤字脱字など悪しからず…。) [PPIの有効性] 胃酸分泌は、アセチルコリン、ガストリン、ヒスタミンの3つの刺激によって調節されており、これらの受容体が刺激されることでプロトンポンプが活性化され、胃酸…

抗うつ薬中断症候群(Antidepressant discontinuation syndrome)について

以下の記事は個人的な業務用資料です。内容の妥当性、正確性については原著論文等でご確認下さい。 抗うつ薬の投与中止にともなう離脱症状として、抗うつ薬中断症候群(Antidepressant discontinuation syndrome)が知られている。主な症状として、めまい、…

[書籍出版のお知らせ]薬剤師のための医学論文の読み方・使い方

『薬剤師のための医学論文の読み方・使い方』という本が出版されます。僕の師匠、名郷直樹先生との共著です。 薬剤師のための医学論文の読み方・使い方 この本は、医学論文の読み方・使い方の解説を軸にしながらも、薬の“効果”について、エビデンスと構造主…

中動態は医療にどんな可能性をひらくのか-言語化できない思いをとらえる

『意志を有していたから責任を負わされるのではない。責任を負わせてよいと判断された瞬間に、意志の概念が突如出現する。……つまり責任の概念は、自らの根拠として行為者の意志や能動性を引き合いに出すけれども、実はそれらとは何か別の判断に依存している…

薬剤師のジャーナルクラブ、その学術的評価 [ORIGINAL ARTICLE]Behavioral change of pharmacists by online evidence-based medicine-style education programs

[薬剤師のジャーナルクラブの取り組みが論文化されました] 近年では、薬学教育においてもEBMに関する方法論を学ぶ機会は増えているように思います。とはいえ、我が国の薬学部学生におけるEBMの方法論に関する認知度は必ずしも高いとは言いえず、[1] 実際の…

ヘルスリテラシーとは何か-その定義と健康への影響について-

[ヘルスリテラシーとは] リテラシーとは、そもそも読み書き能力のことを示す言葉であったが、近年では、“自分に必要な情報を選び、活用する能力”という意味合いが強くなっている。健康情報に関するリテラシーは、一般にヘルスリテラシーと呼ばれているが、…

[地域医療ジャーナル2017年07月号] ポリファーマシー × EBM

地域医療ジャーナル2017年7月号が発刊されています。 cmj.publishers.fm [ポリファーマシーに関して] 今回は、久しぶりにポリファーマシーに関する論考を書きました。 cmj.publishers.fm “ポリファーマシーは悪なのか”という問いに対して、僕は一貫してそ…

学会ではワークショップやシンポジウムの開催は不要なのか?

日本の学会って、一般演題よりも、シンポジウム・ワークショップのほうが演題数が多く、発表時間が長い。何の結論も出ないようなシンポジウムやワークショップをいくらやってもしょうがない。 このような意見をツイッターで目にした。学会とはおそらく学術大…

学びを駆動するために~勉強の哲学-中動態の世界-観光客と誤配~

ツイッター等のSNSで話題になっていた人文・思想系の書籍、3冊を読んでみた。このブログでも少し触れたことがあるが、その三冊とは、東浩紀さんの「ゲンロン0」、國分功一郎さんの「中動態の世界」、そして千葉雅也さんの「勉強の哲学」である。 ゲンロン0 …

[書籍]薬のデギュスタシオン2 製薬メーカーに頼らずに薬を勉強するために

比較を論じる際に大切なのは、差異を見出そうとしている観点です。この場合の観点とは、差異化を試みる際に着目する人の関心と言えるかもしれません。つまるところ、二者の比較とは、両者の間に、なんらかの関心に基づく視点(観点)を持ち込み、その観点で…

[地域医療ジャーナル 2017年06月号 vol.3(6)]臨床と人文知をつなぐ試み。

地域医療ジャーナル2017年06月号 vol.3(6)が発刊されています。 cmj.publishers.fm 僕は薬剤効果の不平等性についての論考他、3つの記事を投稿させていただきました。 まずは、これまで当ブログや、地域医療ジャーナルの「開かれた医療とその敵」でも模索を…

醜いアヒルの子と中動態の世界

國分功一郎さんの「中動態の世界 意志と責任の考古学」を読んだ。 中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく) 僕は中動態の世界と医療との接続を考えている。もう少し考察を重ねたいので現在再読中だが、これまで整理できたことを少しまとめ…