思想的、疫学的、医療について

医療×哲学 常識に依拠せず多面的な視点からとらえ直す薬剤師の医療

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【書籍】総合診療 2019年10月号 教えて! 医師のためのビジネス・スキル

医学書院さんの『総合診療』、先月号(10月号)ですが、特集テーマは「ビジネス・スキル」。企画は藤沼康樹先生です。医療者としての専門スキルを学ぶ機会はあれど、コミュニケーション、倫理的判断、自分自身のモチベーション、プレゼンテーション、ライテ…

【書籍】薬局 2019年11月 Vol.70 No.12-急性冠症候群

南山堂さんの月刊誌『薬局』。今月の特集は急性冠症候群です。循環器疾患の中でも優先的に押さえておきたいメインテーマですが、その専門性の高さゆえになかなか手が出せないでおりました。これを機会にしっかりと学びを深めたいと思います。 薬局 2019年11…

健康的な食事で健康を目指すとはどういうこと?【 #地域医療ジャーナル & #ゆる読み 】

地域医療ジャーナル 2019年11月号 vol.5(11) が発刊されています!僕は『健康的な食事で健康になれるは本当??』という記事を投稿させていただきました。 cmj.publishers.fm 「健康的な食事」というと、ものすごくポジティブなイメージがあって、そこにネガ…

【書籍】宇宙はなぜ哲学の問題になるのか

混沌とした自然世界の中に、どのような意味やメッセージを見出していくのか、目に見える現象の背後に潜む規則性や概念に、どのような言葉を付与すれば良いのか……。科学も哲学もそうした営みの中で学問的発展をとげてきたのではないかと思います。人は自然世…

【書籍紹介】原子力時代における哲学

原子力という技術に対する価値認識は、時代を通じてめまぐるしく変化してきました。広島、長崎に投下された原子爆弾、終戦から冷戦期における核の平和利用という構想、そして原子力発電所の実用化へと歩むエネルギー産業。しかしながら、原子力の平和利用神…

【書籍】ビジアブで読み解く! 薬剤師の仕事に役立つ臨床論文50

地域医療ジャーナルでの連載『ねこでも読める医学論文』の著者、菅原鉄矢先生の著書が出版されます! ビジアブで読み解く! 薬剤師の仕事に役立つ臨床論文50 臨床医は患者を一人診察すると平均して5つの疑問を思いつくと言われています(PMID: 2001091)。薬…

【書籍】Rp.+ レシピプラス 2019年秋号:型を知り 型を破る ワクチン

南山堂さんのレシピプラス Vol.18 No.4(秋号)は『型を知り 型を破る ワクチン』と題したワクチン特集です!インフルエンザ流行シーズンを控え、ワクチンに関するテーマは何かと話題にのぼる時期かもしれません。 レシピプラス Vol.18 No.4 型を知り 型を破…

偶然的だが無制限に安定した法則は理論的に可能か? メイヤスーの思弁的唯物論を読む

事物存在の絶対的な特性、つまり僕らが思考しようとしまいと、そうであり続ける特性をカンタン・メイヤスーは『事実性』と呼んだ。そしてメイヤスーは、世界のあらゆる事物は、それが従う法則とともに、そのすべてが、理由無しに存在していると主張する(無…

【書籍】現代思想2019年9月号 特集=倫理学の論点23

現代思想2019年9月号は『倫理学の論点23』と題し、様々な領域における応用倫理学の論考が掲載されている。どの論考も、先行研究のエッセンスを簡潔にまとめて解説してくれているので、各領域の応用倫理学を学ぶのに最適な入門書としても活用できると思う。 …

必要な薬、不要な薬ー日経トレンディ2019年10月号「飲むべき薬 見直すべき薬」

一般誌の取材依頼は、基本的にお断りすることが多かったのだが、ここ最近はすべて引き受けさせていただくことに方針を変えた。これまで一般誌から距離を置いていたのは、情報内容よりも表現手法に関心が高いメディアだから、という僕の勝手な認識によるとこ…

【書評】劉慈欣『三体』

僕たちが観測できていると信じているこの世界は、実はごく一部の特殊解に過ぎないのではないだろうか? ヒュームに指摘されるまでもなく、人間が考える不変の物理法則なるものが、一時的な気まぐれに過ぎない可能性を誰にも否定できない。 ――つまり、物理学…

【書籍紹介】超入門!スラスラわかるリアルワールドデータで臨床研究

レセプト(診療報酬明細書)情報や電子カルテの情報など、臨床現場から得られる匿名化された患者データをリアルワールドデータ(Real World Data:RWD)と呼びます。近年、ビックデータを活用したデータサイエンスに関心が高まる中で、RWDを利用した臨床研究…

なぜ、非劣性試験ではITT解析ではなくmodified ITT解析(FAS)で行われるのか?

先日、EBMの研修会で「非劣性試験ではなぜITT解析ではだめなの?」という質問に対して、「ITT解析では差が出にくくなるからです」と答えたは良いものの……。よくよく考えれば、「ITT解析」→「結果を過大に評価しない」→「つまり差が出にくい」→「信頼区間の幅…

【書籍紹介】医療職のための症状聞き方ガイド “すぐに対応すべき患者”の見極め方

近年、薬剤師教育においても、臨床推論が注目を集めるようになり、身体所見からどのような疾患が疑われるのか、その確からしさを定量的に評価していく考え方が身近になりつつあります。とはいえ、医師以外の医療職や介護スタッフが、患者さんから身体症状を…

【書籍紹介】逸脱症例から学ぶ がん薬物療法:月刊薬事2019年7月増刊号

近年、がんの薬物療法は臓器別に高度に専門化され、エビデンスの更新も目まぐるしい分野です。一口にがんといっても、がんが発生している臓器によって、全身状態に影響しうる病態生理は大きく異なり、薬物療法も多様化しています。複雑な病態生理を十分に踏…

『正しさ』をめぐる問題―真理の探究はいかにして可能か?

経験に基づく(偶然的な)知識から、必然的・確実な知識(理論体系)を得るためにはどうすれば良いのだろうか。デカルト以来、近代哲学の大きな関心は認識論へとシフトしていく。 絶対確実な真理の探究において、カントは分析的(アプリオリ)な言明と、綜合…

薬剤師による処方提案、その問題点と円滑な実践のためにー日本在宅薬学会を振り返る

2019年7月14日から15日の2日間にわたり、一般社団法人日本在宅薬学会の第12回学術大会が名古屋で開催されました。 congress.jahcp.org 僕はNPO法人アヘッドマップの仲間たちと一緒に、ワークショップ1『楽しく実践!処方提案!~ポリファーマシーを例に~』…

疫学的研究デザインと統計解析手法を学ぶ

2019年5月、京都にて開催された日本プライマリ・ケア連合学会第10回学術大会。この学術大会で僕たちが発表した『頭髪の抜け毛は春に少なく夏から秋にかけて増えるかもしれない』という研究ついて、立案からどのような手順で解析を進めたのか、ファーマトリビ…

GLP-1受容体作動薬と糖尿病性網膜症リスクの関連

心血管イベントリスクに対してポジティブな報告が続くGLP-1受容体作動薬ですが、セマグルチドの大規模臨床試験 SUSTAIN-6で示された網膜症リスク増加は、少なからず衝撃的でした。同研究において、硝子体出血、失明、硝子体内注射または光凝固治療を要する…

糖尿病治療アップデートにおすすめ書籍と、GLP-1受容体作動薬の有効性の要約について

【糖尿病治療アップデートにおすすめ書籍】 DPP4阻害薬をはじめ、SGLT-2阻害薬やGLP-1受容体作動薬など、いわゆる新規2型糖尿病治療薬の大規模臨床試験の結果が、相次いで報告されています。この分野は情報の更新が目まぐるしいく、またその量も膨大なため、…

【書籍紹介】不道徳的倫理学講義: 人生にとって運とは何か

我々がこの世界で何をなし、何を受け取るかは、「運」というものに大きく左右されている。しかし、あるべき行為や人生をめぐって議論が交わされるとき、なぜかこの「運」という要素は無視されがちだ。 特にその傾向は、道徳や倫理について学問的な探究を行う…

ランダム化比較試験の外的妥当性と、結果に示される効果の大きさは相関する?

薬事日報さんの薬学生新聞で連載させていただいてるコラム「これから薬の話をしよう」、今回はランダム化比較試験の外的妥当性についての話です。 ynps.yakuji.co.jp 臨床研究における外的妥当性とは、示された結果が広く一般化できるかどうかに関する度合い…

【書籍】 Rp.+ レシピプラス 2019年夏号 Vol.18 No.3- 心不全治療のパラダイムとTOPCAT試験

南山堂さんの『Rp.+ レシピプラス』2019年夏号の特集は心不全です。 レシピプラス Vol.18 No.3 みてわかる!循環器のキホン 心不全のくすり: 慢性心不全の薬学管理と生活サポート 循環器疾患の終末像たる心不全は、高齢化が進む日本の臨床において、避けては…

禁煙する(させる)とはどういうことか

喫煙者が禁煙に対してどの程度関心を持つものなのだろうか。例えば製造業労働者815人を対象とした横断調査【1】によれば、喫煙率は44.3%であり、喫煙者の48.5%が禁煙無関心者であったと報告されている。同研究ではまた、無関心に関連する因子として、健康…

ポリファーマシーをめぐる信念対立とその解消アプローチ

第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会、5月18日の教育講演の振り返りを続けていきます。 confit.atlas.jp ・名郷直樹先生:ポリファーマシーと言われる中で起きていること:構造主義医療の視点から・尾藤誠司先生:なぜ薬が増えていくのか」に関する…

人類学的・行動経済学的に考えるポリファーマシー

第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会、5月18日の教育講演の振り返りを続けていきます。 confit.atlas.jp ・名郷直樹先生:ポリファーマシーと言われる中で起きていること:構造主義医療の視点から・尾藤誠司先生:なぜ薬が増えていくのか」に関する…

構造主義医療で語るポリファーマシー

第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会、5月18日の教育講演は、とても心に残るセッションとなりました。本セッションは栃木医療センターの矢吹拓先生とご一緒させていただき、今回は座長という立場で、ぼくたちが是非お話を伺ってみたいと思う3名の先…

薬の効果、その視点を変えて眺めてみる―表現としての薬剤効果

「高血圧治療ガイドライン2019」において、降圧目標として推奨されている血圧値は130/80mmHgでした。この推奨は、ランダム化比較試験19件のシステマティック・レビュー&メタ分析に基づいています。詳細は以下のエントリにまとめてあります。 syuichiao.hate…

【書籍】いつもそばには本があった。

『いつもそばに本があることは、人間が人間らしく生きるために必要な条件だという認識は今も失われていない』p114 國分功一郎さんと、互盛央さんによる、対談とも往復書簡とも異なるエッセイ集、『いつもそばには本があった。』を読んだ。 いつもそばには本…

【お知らせ】『みんなで考えるポリファーマシー』の動画コンテンツが公開されています

2016年12月18日に開催した薬学ゼミナール生涯学習センター主催の薬剤師生涯学習講座「みんなで考えるポリファーマシー」をもとにした動画コンテンツがm3.comで閲覧できます! pharmacist.m3.com 有料コンテンツですが、m3会員では特別優待があるようです。詳…