思想的、疫学的、医療について

医療×哲学 常識に依拠せず多面的な視点からとらえ直す薬剤師の医療

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ポリファーマシーをめぐる信念対立とその解消アプローチ

第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会、5月18日の教育講演の振り返りを続けていきます。 confit.atlas.jp ・名郷直樹先生:ポリファーマシーと言われる中で起きていること:構造主義医療の視点から・尾藤誠司先生:なぜ薬が増えていくのか」に関する…

人類学的・行動経済学的に考えるポリファーマシー

第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会、5月18日の教育講演の振り返りを続けていきます。 confit.atlas.jp ・名郷直樹先生:ポリファーマシーと言われる中で起きていること:構造主義医療の視点から・尾藤誠司先生:なぜ薬が増えていくのか」に関する…

構造主義医療で語るポリファーマシー

第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会、5月18日の教育講演は、とても心に残るセッションとなりました。本セッションは栃木医療センターの矢吹拓先生とご一緒させていただき、今回は座長という立場で、ぼくたちが是非お話を伺ってみたいと思う3名の先…

薬の効果、その視点を変えて眺めてみる―表現としての薬剤効果

「高血圧治療ガイドライン2019」において、降圧目標として推奨されている血圧値は130/80mmHgでした。この推奨は、ランダム化比較試験19件のシステマティック・レビュー&メタ分析に基づいています。詳細は以下のエントリにまとめてあります。 syuichiao.hate…

【書籍】いつもそばには本があった。

『いつもそばに本があることは、人間が人間らしく生きるために必要な条件だという認識は今も失われていない』p114 國分功一郎さんと、互盛央さんによる、対談とも往復書簡とも異なるエッセイ集、『いつもそばには本があった。』を読んだ。 いつもそばには本…

【お知らせ】『みんなで考えるポリファーマシー』の動画コンテンツが公開されています

2016年12月18日に開催した薬学ゼミナール生涯学習センター主催の薬剤師生涯学習講座「みんなで考えるポリファーマシー」をもとにした動画コンテンツがm3.comで閲覧できます! pharmacist.m3.com 有料コンテンツですが、m3会員では特別優待があるようです。詳…

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」について②-糖尿病合併高血圧

日本高血圧学会より発行された「高血圧治療ガイドライン2019」をもう少し読み進めてみる。ちなみに本ガイドライン巻末の引用文献リストには、PMIDが併記されているため、原著論文を参照したい時にはかなり利便性が高い。 《日本高血圧学会高血圧治療ガイドラ…

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」について

「高血圧治療ガイドライン2019」が日本高血圧学会より発行された(制作・販売はライフサイエンス出版)。5年ぶりとなる本改訂では、高血圧の疫学から具体的な治療推奨まで、全14章17個のCQで構成され、引用された論文総数は1700文献である。 《日本高血圧学…

【書籍紹介】ゆるく考える ―ラジカルにゆるく

東浩紀さんのエッセイ集「ゆるく考える」を読んだ。 《Amazon》 ゆるく考える 《楽天ブックス》 ゆるく考える [ 東 浩紀 ] 感想(0件) 『友と敵の境界をクリアに引かず、「ゆるく」考えることは、最近のぼくにとって大きな課題になっている(ゆるく考えるp326…

【書籍】時間と自由意志 -自由は存在するか、存在するとすれば、自由とは何か?-

青山拓央さんの『時間と自由意志』を再読した。自由について、これほどまでに体系的に論じられた文献は、日本語ではまだまだ少ないように思う。 《Amazon》 時間と自由意志:自由は存在するか (単行本) 《楽天ブックス》 時間と自由意志 自由は存在するか (…

【書評】ブラック・ドッグ

ブラック・ドッグ 葉真中 顕 (著) 講談社 (2016/6/15) ブラック・ドッグ (講談社文庫) 差別はいけないことだ。それは現代人にとって常識的な価値観であるが「差別」と「区別」との境界線はあまり明確ではないように思う。僕たちは人種差別はいけないことだと…

花粉症のOTC医薬品:考え方・選び方と、おススメOTC

ファーマトリビューンさんで連載中のコラム『【論文から学ぶ】薬剤師のためのOTC医薬品』、先月と今月にかけて花粉症に対するOTC医薬品の考え方・選び方について解説しています。薬剤師のみならず、登録販売者の方、あるいは広く一般の方にもご参考になれば…

交絡を考えるとはどういうことか~疫学を学びたい人におススメの書籍3冊

地域医療ジャーナル 2019年04月号 vol.5(4) 『次なる世界へ』が発刊されております! cmj.publishers.fm 僕は睡眠時間と健康関連問題について『僕らは一体、どれくらい眠れば健康的に過ごすことができるのか?』という論考を投稿させていただきました。 cmj.…

【書籍紹介】薬トレ 薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック

南山堂さんの薬局増刊号、今年は毎年恒例「病気とくすり」ではなく「薬トレ 薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック」です! 薬局 2019年3月増刊号 特集 「 薬トレ ―薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック― 」 [雑誌] 本書は日常業務で遭遇頻度の…

【書籍】レシピプラス2019年春号 (Vol.18 No.2)

南山堂さんのレシピプラス、2019年春号の特集テーマは『今どきの抗うつ薬処方: ここでも使える!!― SSRI,SNRI,NaSSA』です。抗うつ薬20年史から作用メカニズム、さらには新規抗うつ薬の特徴などを丁寧にまとめた1冊となっております。 レシピプラス Vol.18 No…

【書評】現象を救うのは科学か物語か?-『彼女がエスパーだったころ』

宮内悠介さんの『彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)』を読んだ。僕が読んだ宮内さんの小説は『ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワ文庫JA)』に続いて2冊目となる。 彼女がエスパーだったころ (講談社文庫) 表題作『彼女がエスパーだったころ』を含む6編…

【書籍紹介】総合診療2019年2月号&3月号―もやもや処方箋最終回は”イソップの向こう側”!?

気付けばもう3月半ば……。季節の変化が身近に感じられる今日この頃ですが、なかなか思うように時間が取れなく、デスクの上に積読状態となっていた『総合診療』誌にようやく目を通すことができました。 2月号のメインテーマは『特集 意外な中毒、思わぬ依存、…

FREED試験について思うこと。

米国食品医薬品局(FDA)による、フェブキソスタットの安全性情報に関する記載アップデート(19年2月21日)はツイッターでも話題になりましたね。『フェブキソスタットの死亡リスクはアロプリノールを上回ると結論』という文言は、なかなかにインパクトのあ…

【書評を書きました!】月刊薬事2019年3月号

じほうさんの月刊薬事、3月号は薬物相互作用の特集が組まれています。日常業務で遭遇する頻度の高い薬物間相互作用について丁寧な解説がなされており、これを機会に僕もしっかり勉強したいとおもいます。 月刊薬事 2019年 03 月号 [雑誌](特集:モニタリング…

子どもの難問~もう子供ではなくなってしまった僕らだからこそ…… 

30代も後半になって数年がたち、自分のことはもう「いい大人だ」と思っている。人間的に成熟しているなんて、とても言えないけれど、少なくとも子供ではない何かではある。とはいえ、17歳やそこらの高校生を「まだ子供だ」なんて言うのであれば、今の僕と17…

「世界は存在しない」とはどういうことか?-マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』

若きドイツの哲学者、マルクス・ガブリエルの著書、『なぜ世界は存在しないのか』を読みました。発売された当初から読もうと思っていたのですが、なんとなく流行に乗るのもはばかられ、そのまま1年近くが過ぎていました。 なぜ世界は存在しないのか (講談社…

誰しもが自らの意志の外側で、何かに依存しながら生きている。

『Twitterでの自動配信メッセージや励まし合いは、禁煙成功率を2.6倍に高める』というツイートが流れてきて、ナルホドナと思いました。ソースは以下の論文です。 www.ncbi.nlm.nih.gov この研究は、160人(平均35.7歳)の喫煙者を対象に、ニコチンパッチ製剤…

社会的要因がもたらす格差社会と健康格差

社会経済的指数と様々な変数の継時的変化を見ることができるグラフィックツールに『Gapminder World』があります。 www.gapminder.org このツールの使い方に関しては、以下の論文に詳しいですが、縦軸に健康問題、横軸に社会経済指数を設定することにより、…

小説あれこれ。

2017年頃から小説を書き溜めてはいるのですが、僕が書いた小説が、思わぬ評価をうけることもあって、正直なところ嬉しい限りです。 DeNAとNTTドコモとの共同出資企業、株式会社エブリスタが提供する小説投稿サイト、エブリスタでは、定期的に『三行から参加…

【書籍紹介】哲学がわかる 因果性

因果性(causality)とは、2 つの出来事が原因と結果という関係で結びついているかどうかを問題にした概念のことです。一般的に、二つ以上の出来事の間に、原因と結果の関係があることを因果関係と呼びます。 僕らの日常世界は、常にこの因果性を前提として…

地域医療ジャーナル 2018年の記事を振り返る

地域医療ジャーナル 2019年01月号 vol.5(1) が発刊されています。 cmj.publishers.fm 今年も月1回、12記事を執筆させていただきました。同じテーマを長期的に連載するというよりは、毎月ごとにテーマを決め、それについて学びを深めていく過程を記事にしてい…

【書籍紹介】月刊誌「薬局」2019年1月 Vol.70 No.1 & Rp.+ レシピプラス 2019年冬号 Vol.18 No.1

クリスマスもすぎると、年末の雰囲気が色濃くなっていますね。あっという間に2018年が過ぎ去ろうとしていますが、書籍の紹介です。 南山堂さんの月刊誌「薬局」2019年1月 Vol.70 No.1は、毎年恒例、Evidence Update 「最新の薬物治療のエビデンスを付加的に…

【書籍紹介】在宅新療0-100 2018年12月号―ポリファーマシー;在宅医だからこそできる対策とは

『0歳から100歳まですべての方の、日々の暮らしを支える自宅での医療、看護、ケア、そして地域連携までを考え提案する専門雑誌』へるす出版さんの在宅新療0-100 今月号は”ポリファーマシー”がテーマです。 在宅新療0-100 2018年 12 月号 [雑誌] 企画・構成は…

【書籍紹介】総合診療 2018年12月号 ( Vol.28 No.12) ー違和感を言語化せよ!!

医学書院さんの「総合診療」で連載中の「もやもや処方の処方箋」、12月号では症例提示をさせていただきました! 今回のテーマは『「この薬、なんか違うかも」に気づいたら!?』です。 総合診療 2018年 12月号 特集 こんなときこそ漢方を! 今回のカンファレン…

【書籍】人工知能に哲学を教えてみたら、いったいどうなるか?ー『人工知能に哲学を教えたら』

あらかじめコンピュータに人間が規則や推論、知識などを教え込み、そこから現実世界の具体的問題を解決させる、かつて人工知能が行っていた演算処理はこうした演繹的なプロセスでした。しかし、今やビックデータを人工知能自ら解析し、膨大なデータの中から…